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オフショア開発とは?意味やメリット・デメリット、成功のポイントを簡単に解説

国内のIT人材不足が深刻化する中、多くの企業が解決策として「オフショア開発」に注目しています。オフショア開発はコスト削減だけでなく、優秀な開発リソースの確保や開発スピードの向上など、企業が抱える課題解決の有効な手段です。

本記事では、オフショア開発の基本的な定義から、企業が導入すべき理由、具体的なメリット・デメリット、成功のポイントまで、体系的に解説します。

オフショア開発の導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

オフショア開発とは

オフショア開発を効果的に活用するには、まずその定義と基本的な仕組みを正しく理解する必要があります。類似する開発手法との違いも含めて、整理していきましょう。

  • オフショア開発の意味
  • ニアショア開発との違い

オフショア開発の意味

オフショア開発とは、ソフトウェアやシステムの開発業務を海外企業や海外子会社に委託する手法です。「offshore(オフショア)」という言葉は「岸から離れた」という意味を持ち、ビジネス用語では「海外」を指します。

開発を委託できる範囲は幅広く、システム設計から実装、テスト、運用保守まで、プロジェクトの様々なフェーズを外部に任せることが可能です。委託先は主にアジア諸国が中心となっており、とくにベトナム、中国、インドといった国々が人気を集めています。

ニアショア開発との違い

オフショア開発と混同されやすいのが「ニアショア開発」です。この2つの決定的な違いは、開発拠点の場所にあります。

ニアショア開発は国内の地方都市に開発を委託する手法で、オフショア開発は海外に委託する点が大きく異なります。たとえば、東京の企業が福岡や北海道、沖縄などの国内企業に開発を依頼するのがニアショア開発、ベトナムやインドなど海外企業に依頼するのがオフショア開発です。

ニアショア開発の最大の利点は、言語や文化の壁がないことです。時差もなく、緊急時の対応がしやすいという特徴があります。一方、オフショア開発は、ニアショア開発よりも大幅なコスト削減が期待でき、豊富な人材リソースにアクセスできる点が強みです。

どちらを選ぶかは、プロジェクトの性質や企業の優先順位によって異なります。コスト削減を最優先するならオフショア、コミュニケーションの円滑さを重視するならニアショアが適しているといえるでしょう。

オフショア開発が注目される4つの背景

オフショア開発の活用が広がっている背景には、IT業界を取り巻く構造的な問題があります。単なる一時的なトレンドではなく、企業が抱える深刻な課題への現実的な対応策として位置づけられています。

  • 深刻化する国内IT人材不足
  • 開発コストの高騰
  • 委託先国の技術力向上
  • オフショア開発手法の成熟化

深刻化する国内IT人材不足

日本のIT業界は、深刻な人材不足に直面しています。経済産業省の調査によると、2030年には最大79万人のIT人材が不足すると予測されており、状況はさらに悪化する見込みです。

とくに問題なのは、AI、クラウド、データサイエンスといった先端技術分野での人材不足が顕著な点です。ヒューマンリソシアの2025年調査では、企業の75.2%が「IT人材が不足している」と回答しており、とくに従業員1,000人以上の大企業では79.6%がIT人材確保の課題を感じています。

新規事業の立ち上げやシステム刷新に取り組みたくても、人手が足りずに着手できない企業が増えているのが現状です。

開発コストの高騰

国内IT人材不足は、人件費の高騰という形でも企業経営に影響を与えています。需要に対して供給が追いつかないため、優秀なエンジニアを確保するための採用コストも年々上昇しています。

国内でシステム開発をおこなう場合、人件費が開発コストの大部分を占めますが、海外のエンジニアと比較すると、日本のエンジニアの人件費は2〜3倍にもなることがあり、コスト面での競争力を維持することが難しい状況です。

たとえば、ベトナムのプログラマーの人月単価は約40万円であるのに対し、日本では80〜100万円が一般的です。このような人件費の高騰も、企業がオフショア開発へ乗り出す大きな理由となっています。

委託先国の技術力向上

オフショア開発の委託先となる国々、とくにアジア諸国の技術力が飛躍的に向上していることも、オフショア開発が注目される大きな要因です。

ベトナムでは国策としてIT人材育成に力を入れており、毎年数万人規模のITエンジニアを輩出しています。インドでは世界トップクラスのITエンジニアが多数存在し、グローバル企業からの需要も高まっています。中国も技術力の向上が著しく、一部では日本を上回る技術レベルに達しているともいわれています。

委託先の技術レベルが上がったことで、単純なコーディング作業だけでなく、システム設計や要件定義といった上流工程からオフショア開発を活用する企業も増えているといえるでしょう。

オフショア開発手法の成熟化

オフショア開発は、1980年代から日本企業が中国を中心に活用しており、40年以上の蓄積により、開発プロセスやコミュニケーション手法、品質管理のノウハウが確立されています。

とくに近年では、「ブリッジSE」と呼ばれる日本語と現地語の両方に精通した人材が橋渡し役となることで、言語や文化の違いによる問題を最小限に抑えられるようになりました。また、クラウドツールやビデオ会議システムの発展により、物理的な距離があっても円滑なコミュニケーションが可能になっています。

こうした環境整備により、オフショア開発は「リスクの高い挑戦」から「確立された開発手法」へと変化しています。

オフショア開発の主な目的

企業がオフショア開発を導入する目的は多岐にわたります。自社の経営課題や事業戦略に応じて、適切な目的を設定することが成功の鍵となります。

  • 開発コストの削減
  • 優秀な開発リソースの確保
  • 開発スピードの向上

開発コストの削減

オフショア開発の最も直接的な目的は、開発コストの削減です。海外、とくにアジア諸国の人件費は日本と比較して大幅に安いため、同じ予算でもより多くの開発リソースを確保できます。

たとえば、日本で5人のエンジニアチームを組むコストで、ベトナムでは10〜15人のチームを編成できる可能性があります。委託先や職種によっては、日本国内での開発と比較して50〜70%のコスト削減が実現できるケースもあります。

ただし、近年はオフショア開発の人気が高まったことで、委託先国の人件費も上昇傾向にあります。単純な「安さ」だけを追求するのではなく、品質とコストのバランスを考慮した選択が重要です。

優秀な開発リソースの確保

国内でITエンジニアを採用しようとしても、そもそも応募者が集まらないという課題を抱える企業が増えています。オフショア開発は、こうした人材不足の解消にも有効です。

ベトナムやインドでは、優秀なITエンジニアが豊富に存在します。日本国内では採用が困難なフルスタックエンジニアや、AI・機械学習の専門家といった高度人材にもアクセスしやすくなります。

また、オフショア開発では必要なタイミングで必要な人数のエンジニアを確保できる柔軟性もメリットです。国内採用では数ヶ月かかる採用プロセスが、オフショアでは数週間で完了するケースもあります。

開発スピードの向上

オフショア開発を活用することで、開発スピードを加速させることも可能です。豊富な人材リソースを投入できるため、短期間での開発が実現できます。

また、時差を活用した24時間体制の開発も、オフショア開発の特徴の一つです。日本が夜間の時間帯に、海外チームが作業を進めることで、プロジェクトの進行速度を上げられます。

急速に変化する市場環境に対応するため、新規事業やサービスをいち早く立ち上げたい企業にとって、オフショア開発は有力な選択肢となります。

オフショア開発の5つのメリット

オフショア開発には、企業の成長戦略を支える多面的なメリットがあります。単なるコスト削減だけではなく、経営全体に好影響をもたらす可能性を秘めています。

  • 大幅なコスト削減が可能
  • 柔軟な人材確保とスケーラビリティ
  • 高度IT人材へのアクセス
  • 専属開発チームの構築
  • グローバル人材の活用

大幅なコスト削減が可能

オフショア開発の最大のメリットは、やはり開発コストの大幅削減です。人件費が日本の半分以下の国も多く、同じ予算でより多くの開発が可能になります。

ベトナムの場合、プログラマーの人月単価が約40万円、シニアエンジニアで約49万円と、日本の半額程度で済みます。大規模なシステム開発プロジェクトでは、数千万円規模のコスト削減につながることも珍しくありません。

削減したコストを新規事業への投資や、マーケティング施策に回すことで、企業の競争力強化にもつながります。

柔軟な人材確保とスケーラビリティ

オフショア開発では、プロジェクトの規模や状況に応じて、柔軟にエンジニアの人数を調整できます。これにより急なスケール拡大にも対応しやすく、ビジネスの変化に素早く適応できる体制を構築可能です。

国内採用では数ヶ月かかるエンジニア確保が、オフショア開発では数週間で実現するケースもあります。プロジェクトの繁忙期に一時的に人員を増やし、落ち着いた時期には縮小するといった運用も可能です。

こうした柔軟性は、スタートアップ企業や新規事業に取り組む企業にとって、とくに大きなメリットとなります。

高度IT人材へのアクセス

国内では採用が困難な高度IT人材に、オフショア開発を通じてアクセスできる点も見逃せません。AI、機械学習、ブロックチェーンといった先端技術の専門家を確保しやすくなります。

インドには世界トップクラスのITエンジニアが多数おり、ベトナムでも優秀な理系大学出身のエンジニアが豊富に存在します。こうした人材を活用することで、自社のDX推進や新技術の導入を加速できます。

また、グローバルな視点や技術トレンドに精通したエンジニアとの協業は、社内エンジニアの成長にも良い影響を与えます。

専属開発チームの構築

とくに「ラボ型開発」と呼ばれる契約形態では、海外に自社専属の開発チームを持つことができます。専属チームは自社のビジネスや技術を深く理解しており、長期的なパートナーとして機能します。

プロジェクトごとに外部委託先を探す必要がなくなり、継続的な開発体制を維持できます。チームメンバーが固定されることで、技術的なノウハウが蓄積され、開発効率も向上します。

新機能の追加や仕様変更にも柔軟に対応でき、スピード感を持った開発が可能になります。

グローバル人材の活用

オフショア開発を通じて、グローバルな視点や多様な文化的背景を持つ人材と協業できることも、企業にとって価値があります。海外市場への展開を視野に入れている企業にとって、現地の商習慣や文化を理解した開発チームの存在は大きな強みとなります。

また、多様性のあるチームでの開発経験は、社内メンバーの視野を広げ、組織全体のイノベーション創出にもつながる可能性があります。

オフショア開発の3つのデメリットと対策

オフショア開発には多くのメリットがある一方で、いくつかの課題も存在します。これらのデメリットを理解し、適切な対策を講じることが成功につながるでしょう。

  • 言語・文化の違いによるコミュニケーション課題
  • 時差や物理的距離の問題
  • 品質管理とプロジェクト管理の難しさ

言語・文化の違いによるコミュニケーション課題

オフショア開発で最も頻繁に指摘される課題が、言語と文化の違いによるコミュニケーションの難しさです。日本語が母語ではないエンジニアとやり取りする際、細かなニュアンスが伝わりにくいケースがあります。

とくに仕様の認識齟齬は、開発の手戻りや品質低下の原因となり、結果的にコストや時間の増大につながります。また、文化的な違いから、仕事の進め方や優先順位の考え方が異なることもあります。

対策としては、日本語と現地語の両方に精通した「ブリッジSE」の活用が効果的です。ブリッジSEが間に入ることで、言語の壁を越えたスムーズなコミュニケーションが可能になります。また、仕様書やドキュメントを詳細に作成し、視覚的な資料を多用することも有効です。

時差や物理的距離の問題

海外に開発を委託する以上、時差や物理的な距離の問題は避けられません。緊急の対応が必要な場合でも、時差によりリアルタイムでのやり取りが難しいケースがあります。

ベトナムは日本との時差が2時間と小さいため、比較的対応しやすい環境である一方、インドとは約3.5時間、東欧諸国とは7〜8時間の時差があり、リアルタイムでの打ち合わせがしにくくなります。

対策としては、定期的なオンライン会議のスケジュールを固定化し、双方が参加しやすい時間帯を確保することが重要です。また、チャットツールやプロジェクト管理ツールを活用し、非同期のコミュニケーションを円滑にする工夫も必要です。

品質管理とプロジェクト管理の難しさ

物理的に離れた場所で開発が進むため、品質管理やプロジェクト管理の難易度が上がります。直接顔を合わせての確認ができないため、進捗状況や成果物の品質を正確に把握しづらいのがデメリットです。

また、日本側とオフショア開発側で品質基準の認識が異なり、期待した品質が得られないケースもあります。テストやレビュー工程が不十分だと、納品後に大量のバグが発見されるリスクもあります。

対策としては、明確な品質基準とテスト仕様書を事前に共有し、定期的なレビューやテストを実施する体制を構築することが重要です。コードレビューの自動化ツールや、継続的インテグレーション(CI)の導入も効果的です。

オフショア開発の主な委託先国

オフショア開発の委託先として、どの国を選ぶかは非常に重要な判断です。それぞれの国には特徴があり、プロジェクトの性質や企業の優先順位に応じて最適な選択肢が変わります。

  • ベトナム
  • 中国
  • インド
  • その他のアジア諸国

ベトナム

ベトナムは、現在日本企業にとって最も人気の高いオフショア開発拠点です。オフショア開発白書2024年版によると、委託先として42%と圧倒的なシェアを占めています。

人気の理由は、親日的な国民性、勤勉な文化、地理的な近さ、そして比較的安価な人件費にあります。日本との時差は2時間と小さく、リアルタイムでのコミュニケーションが取りやすい環境です。

ベトナム政府は国策としてIT人材育成に注力しており、毎年多数の優秀なエンジニアが輩出されています。ハノイ工科大学やホーチミン工科大学といったトップレベルの大学出身者も多く、技術力の高さも評価されています。

また、ハノイやホーチミンといった主要都市だけでなく、ダナンやフエといった地方都市にもオフショア開発企業が増えており、選択肢の幅が広がっています。

中国

中国はオフショア開発の歴史が長く、26%のシェアを持つ委託先です。1980年代から日本企業が活用してきた実績があり、豊富なノウハウと確立されたプロセスが強みです。

技術力の向上が著しく、一部では日本を上回るレベルに達しているともいわれています。人口が多く、エンジニアの数も豊富であるため、大規模プロジェクトにも対応しやすい環境です。

ただし、人件費の上昇が続いており、かつてのような大幅なコスト削減は期待しにくくなっています。また、政治的な関係性や知的財産権の保護といった懸念も指摘されています。

それでも、既に中国のオフショア開発企業と長期的な関係を築いている日本企業は多く、安定した委託先として選ばれ続けています。

インド

インドは7%のシェアを持ち、世界トップクラスのIT人材が豊富に存在する国です。英語が公用語であり、欧米企業との取引経験も豊富なため、グローバルスタンダードに対応した開発が可能です。

とくに高度な技術力を要するプロジェクトや、大規模システム開発において強みを発揮します。AI、機械学習、ブロックチェーンといった先端技術分野でも優秀な人材が多数存在するためです。

一方で、日本語対応が可能な人材は限られており、主に英語でのコミュニケーションとなります。文化的な違いも大きいため、日本企業にとってはコミュニケーション面でのハードルが高いと感じられることもあります。

その他のアジア諸国

フィリピン、ミャンマー、バングラデシュといった国々も、オフショア開発の委託先として注目を集めています。

フィリピンは英語力が高く、コミュニケーションが取りやすいという特徴があります。ミャンマーは人件費が安く、今後の成長が期待されています。バングラデシュは隣国のインドに近く、技術力の向上が著しい状況です。

これらの国々は、ベトナムや中国に次ぐ「ポストベトナム」として、今後さらに存在感を増していく可能性があります。

オフショア開発の契約形態

オフショア開発を実施する際、どの契約形態を選択するかは、プロジェクトの性質や企業の管理体制によって変わります。主要な3つの契約形態について理解しておきましょう。

  • 請負契約(プロジェクト型)
  • ラボ型開発(専属チーム型)
  • SES契約(準委任契約)

請負契約(プロジェクト型)

請負契約は、成果物の完成を目的とした契約形態です。発注者は要件定義や仕様書を明確に提示し、開発会社はそれに基づいてシステムを構築し、期日までに納品します。

成果物の完成責任は開発会社側にあるため、発注者にとってはリスクが低い契約形態です。ウォーターフォール型の開発プロセスと相性が良く、要件が明確で変更が少ないプロジェクトに適しています。

ただし、開発途中での仕様変更は原則として追加費用が発生します。また、プロジェクトが完了すれば開発チームは解散するため、長期的な関係構築には向きません。

ラボ型開発(専属チーム型)

ラボ型開発は、一定期間エンジニアチームを専属で確保する契約形態です。ODC(Offshore Development Center)とも呼ばれ、海外に自社専用の開発拠点を持つようなイメージです。

契約期間中は、プロジェクトの進捗に応じて柔軟に開発内容を変更でき、追加費用も発生しません。同じメンバーで継続的に開発を進めるため、技術的なノウハウが蓄積され、開発効率が向上します。

アジャイル開発と相性が良く、継続的な機能追加や改善が必要なサービス開発に適しています。ただし、発注者側にプロジェクト管理能力が求められるため、オフショア開発に慣れていない企業にはハードルが高い面もあります。

SES契約(準委任契約)

SES(システムエンジニアリングサービス)契約は、エンジニアを発注元に常駐させる契約形態です。準委任契約の一種であり、労働力の提供に対して報酬が支払われます。

ラボ型開発と異なり、エンジニアが発注者のオフィスに常駐するため、直接コミュニケーションを取りながら開発を進められます。これは短期的な人材補強や、社内エンジニアの教育を目的とする場合に活用される進め方です。

ただし、オフショア開発の文脈では、海外エンジニアを日本に呼び寄せるコストがかかるため、あまり一般的ではありません。

オフショア開発を成功させる5つのポイント

オフショア開発は適切な準備と運用により、大きな成果を生み出せます。失敗を避け、確実に成功へと導くために押さえるべきポイントを理解しておきましょう。

  • ブリッジSEの活用
  • 明確な仕様書とドキュメント整備
  • 適切なコミュニケーション体制の構築
  • 信頼できるベンダー選定
  • 段階的な導入とリスク管理

ブリッジSEの活用

ブリッジSEとは、日本語と現地語の両方に精通し、かつ高度なIT知識を持つエンジニアのことです。発注者側と開発チームの橋渡し役として機能し、言語や文化の違いを乗り越えるための重要な存在です。

優秀なブリッジSEは、単なる通訳ではなく、日本側の要求を技術的に理解し、現地チームに適切に伝える能力を持っています。また、現地の文化や商習慣も理解しているため、トラブルを未然に防ぐ役割も果たします。

ブリッジSEの質がプロジェクトの成否を左右するといっても過言ではないため、ベンダー選定の際には必ずブリッジSEの経験やスキルを確認しましょう。

明確な仕様書とドキュメント整備

オフショア開発では、対面でのコミュニケーションが限られるため、仕様書やドキュメントの重要性が一層高まります。曖昧な指示や口頭だけの説明では、認識齟齬が生じやすくなります。

要件定義書、仕様書、設計書といったドキュメントを詳細に作成し、図やフローチャートを多用して視覚的にわかりやすくすることが重要です。また、用語集を作成し、専門用語の定義を明確にしておくことも効果的です。

ドキュメント作成には時間がかかりますが、後工程での手戻りを防ぐための必要な投資と考えましょう。

適切なコミュニケーション体制の構築

定期的なオンライン会議やチャットツールでの日常的なやり取りなど、コミュニケーションの仕組みを整備することが成功の鍵です。週次や隔週でのビデオ会議を設定し、進捗確認や課題の共有をおこないましょう。

SlackやMicrosoft Teamsといったチャットツール、Jiraやトレロといったプロジェクト管理ツールを活用し、情報の透明性を確保することも重要です。開発チームの進捗状況や課題をリアルタイムで把握できる環境を整えましょう。

また、定期的に現地を訪問し、対面でのコミュニケーションを図ることも、信頼関係の構築に有効です。

信頼できるベンダー選定

オフショア開発の成否は、パートナー企業の選定で大きく左右されます。複数の候補企業を比較検討し、技術力、実績、コミュニケーション能力、品質管理体制などを総合的に評価しましょう。

過去の実績や顧客の評価、エンジニアのスキルレベル、開発プロセスの成熟度などを確認します。可能であれば、小規模なプロジェクトで試験的に協業し、相性を確認してから本格的な委託をおこなうことが望ましいです。

また、長期的なパートナーシップを見据え、企業文化や価値観が合致するかどうかも重要な判断基準となります。

段階的な導入とリスク管理

オフショア開発が初めての企業は、いきなり大規模プロジェクトを委託するのではなく、小規模案件からスタートすることをお勧めします。請負契約で比較的単純な開発を依頼し、オフショア開発のノウハウと成功経験を積むことが重要です。

小規模プロジェクトで協業の実績を作り、信頼関係を構築できたら、徐々に規模を拡大していきましょう。ラボ型開発への移行も、段階的に進めることでリスクを最小化できます。

また、全ての開発をオフショアに依存するのではなく、重要な部分は国内で保持するなど、リスク分散の観点も忘れずに検討しましょう。

まとめ

オフショア開発は、深刻化するIT人材不足とコスト高騰に直面する日本企業にとって、有力な解決策となっています。海外の優秀なエンジニアを活用することで、大幅なコスト削減、柔軟な人材確保、開発スピードの向上が実現できます。

委託先としては、ベトナムが最も高い人気を集めており、親日性、技術力、コストパフォーマンスのバランスが評価されています。中国やインドといった実績豊富な国々も、引き続き重要な選択肢です。

一方で、言語や文化の違い、時差、品質管理といった課題も存在します。これらの課題に対しては、ブリッジSEの活用、明確なドキュメント整備、適切なコミュニケーション体制の構築といった対策が有効です。

オフショア開発の成功には、信頼できるパートナー企業の選定と、段階的な導入によるリスク管理が不可欠です。小規模案件からスタートし、徐々に規模を拡大していくアプローチが、失敗を避ける確実な方法といえるでしょう。

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